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最も高いIQをもつ女性が巻き起こしたモンティ・ホール問題とは?

2014.06.19

最も高いIQをもつ女性が巻き起こしたモンティ・ホール問題とは? はコメントを受け付けていません

あるゲームにおいて、最初に直感で決めた答えを「ヒントをもらったあとで変更してもよい」と言われた場合、あなたはどうしますか?

最も高いIQをもつ女性「マリリン・ボス・サヴァント」が、あるアメリカの番組を題材とした記事を書いたことがきっかけとなり、その後多くの学者により研究された問題があるのです。

この問題は、司会者の名前を取り「モンティ・ホール問題」と呼ばれています。

三つの扉のうち、「正解」である車が入った扉を当てるという、この単純なゲームは、ある一つの「条件」が備わっていることで、思わぬ論争を引き起こすことになるのです。

モンティ・ホール問題とは?

その問題の名前となった「モンティ・ホール」が司会を務める、アメリカの番組「Let’s make a deal」にある一つのゲームが題材となっています。

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アメリカのゲーム番組の様子

回答者であるあなたは、三つの扉の中から正解の扉を選びます。見事に正解を当てると、商品である車をゲットできるが、それ以外の扉には、ハズレを意味する「ヤギ」がひそんでいる、というものです。

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これだけならば、単純な三択の問題となり、読みもへったくれもありません。しかし、以下のルールが一つ追加されるだけで奥深くなり、多くの論争が生まれることになります。

あなたが扉を選んだあとに、モンティ・ホールが残りの扉から、ハズレの扉をひとつだけ開ける。あなたは残りのドアに回答を変更してもよい

はじめに決めた答えを、後から与えられたヒントにより変えてもよい、というものです。「初志貫徹」すべきか、「臨機応変」に答えを変えるのか、迫られるのです。きっと、あなたも少し悩んでしまうでしょう。

三択問題に悩む男性の影

「最もIQが高い人物」としてギネスブックに登録されたマリリン・ボス・サヴァント

1990年に、「このゲームに参加したとき、残りのドアに回答を変えるべきなのか?」という質問が、「マリリン・ボス・サヴァント」が担当する新聞のコラム宛に投稿されました。

マリリン・ボス・サヴァントがそのコラム内で導いたのは「ドアは変更すべき。なぜなら、車を当てる確率が2倍になる」というものでした。つまり迷うことなく変更しろ、というのです。

この答えに、あなたは納得できるでしょうか? おそらくは納得できず、「そんなまさか」と頭をひねってしまうでしょう。

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このコラムに納得できない人は多く、およそ1万通を超える反論が届いたと言われています。その中には、博士号を持った名のある者の1000通も含まれており、この問題は広く知られることになったのです。

「世界最高のIQを持った人間が、子供でもわかる問題で自ら恥をかいている」とまで、さんざんな言われかたをしましたが、彼女は持論を最後まで崩すことはありませんでした。

ついにはコンピューターで、モンティ・ホール問題を何度も行い集計をとり、その確率をはじき出すという方法で、シミュレーションが行われました。

その結果、ドアを変更しなかった場合の正解率は3分の1、変更した場合は3分の2、という答えが得られました。

シミュレーションの結果から、多くの反論があったマリリン・ボス・サヴァントの意見は正しいということが、この時におおむね証明されたのです。この結果には、反論していた多くの学者さえ認めるしかありませんでした。

世界最高のIQは、やはりダテではなかったのです。

なぜ、扉を変更すると正解率が上がるのか?

「三つの扉のうち、一つを選んでいる事実に変わりはないのだから、正解率は3分の1でないとおかしい」

「一つのハズレを開けてもらった時点で扉は残り二つなのだから、正解率は2分の1ではないか」

…など、さまざまな反論が、当時は寄せられていたようです。学者でさえそうなのですから、確率が「3分の2」になると言われても、一般的には納得しにくいものなのです。

世界最高のIQを持つマリリン・ボス・サヴァントも、この説明には本当に苦労されたようです。その彼女が持ちだした説明は、「扉の数を増やす」というものでした。

扉が三つではなく「あなたは百個の扉のうち、一つを選ぶ。司会者が残った99の扉から、ハズレの扉を98個開ける。残った扉へ変更すべきかどうか」という問題を例としたのです。

この場合、当たる確率は100分の1ですが、扉を変更すると、当たる確率は100分の99にまで上昇します。

98個もの扉を開けてしまっているので全然ちがう、と感じるかもしれませんが、司会者が扉を2つだけ残すという点においては、まったくおなじなのです。

しかし実際には、マリリン・ボス・サヴァントがこの方法で説明しても、ほとんど理解されなかったようです。そこでもう一つ挑戦してみてください。

「三つの扉から一つを選んだ場合」の確率は3分の1ですが、「三つの扉から二つを選んだ場合」の確率は3分の2になります。実はこのゲームで、司会者の行動を逆手にとることで、あなたは二つの扉を選んで開くことが可能なのです。

三つの扉をそれぞれA・B・Cとし、あなたはBとCを開くことを目標にしましょう。(正解・不正解は一旦置いておきます)

最初にあなたがとるべき行動は「Aを選択」です。司会者は、BかCのどちらか一方のハズレの扉を開いてくれます。その後、扉を変更するかを問われたら「残った扉へ変更」しましょう。

その結果、A以外の2つの扉を、もくろみ通り開くことができました。

正解率が上がる理由

「残った扉へ変更」することにより、当たるかどうかはともかく、2つの扉を狙って開くことができます。つまり3分の2の確率でこのゲームに挑むことができます。

もしあなたが、この問題に納得ができたなら、周りの人へ持ちこみ、なぜ確率が2倍になるのか説明してみるのも面白いでしょう。うまく納得させるまでがモンティ・ホール問題の楽しみ方だと筆者は考えます。

byヒビタカ

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