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チランドシアというブランドに見る芸術的なプリントが魅力のファッション

2014.04.23

チランドシアというブランドに見る芸術的なプリントが魅力のファッション はコメントを受け付けていません

コラージュやシルクスクリーンなどを用いた絵を描き、数多くの個展も行ったTAKASHI KONDOUの活動の場は、ミュージシャンの衣装や広告の制作など多数あります。

そんな彼がデザインしたTシャツなどを販売しているのがブランド、チランドシアです。

派手で芸術的なプリントを最大の魅力とする彼のファッションを通して、服のプリント・デザインがもつ魅力と問題について考えてみましょう。

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色彩豊かな美術的デザイン!硬派な服たち

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▲上の画像はチランドシアの服ですが、見るととても色鮮やかであることがわかります。このブランドの魅力は、なんといってもTAKASHI KONDOUのセンスを前面に押しだしたプリントと言えるでしょう。

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▲また、こちらも同じくデザイナーが手がけたトートバッグですが、服と同じくロゴなどは描かず、豊かな色彩と線のみで仕上げられています。基本的に同氏はトップス、パンツ、小物のすべてが一貫してこの路線です。

実はとってもかっこ悪い?外国語が書かれた服

チランドシアのものとは違い、世のなかに出回っている服の多くはプリントに他言語のロゴを使い、お洒落にみせています。しかし実は間違っている言葉も多く、外国人からするとおかしいものも多いそうです。

なぜ外国語をデザインに使うと、かっこよく見えるかと言えば、日本人独特のヨーロッパ文化への憧れが理由としてあげられます。とは言っても、昨今はアメリカ人が奇妙な漢字のタトゥーをしていることもあり、知らない国の文字がお洒落な気がするのは万国共通かもしれません。

どこの文字にも言えるのは、自国の人間からしてみれば笑えるような、かっこ悪いものだということです。つまりプリントなどに、言葉を使うかぎりどこでも通用するお洒落にはならないと言えるでしょう。

逆に、描画のみのものはセンスの違いはあっても基本的にはどの国でも通用します。ゴッホの絵が世界中で名画と認められているように、本当にいいものなら世界共通でファッションとして見てもらえるでしょう。

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アートはファッションにならない?現代ファッションへの疑問

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▲上は個展で展示されたものですが、服にされているデザインと基本的には変わらないことがわかります。ストリート・アートを思わせる絵をTシャツなどにもそっくり同じにプリントするという発想は、なかなか斬新です。

そしてこのような考え方こそ、現代のファッションデザインに足りないものではないでしょうか。カーディガンやパンツなどには、多少なりとも上のようなデザインのものもありますが、Tシャツは違います。

先に述べたような英語のロゴやヨーロッパを連想するようなもののプリント・デザインが大半を占めています。美術的な絵のものはきわめて珍しく、商業的なポップさを強調したものばかりが目につきます。

ポップなプリントが大半の状況はファッションにとって正しいか?

ヨーロッパ的なものや可愛くポップなプリントが悪いというわけではありません。しかし、西洋っぽさやキャッチーな雰囲気のものばかりではデザイン性が進歩しないでしょう。

日本のファッションデザイナーたちの実力がもっと世界に認められるためにも、日本人向けのものばかりではいけません。美術寄りの絵を柄として用いた服が広まり、日常にもっと浸透することも必要です。

アートは身近なところから!親しむことでデザインは自然と高まる

実は、現在でも美術家たちによる絵がスマートフォンのケースなどの小物に描かれる機会は、少しずつではありますが増えてきています。普段使うものに描くことで、人々も親しみやすさを覚えるでしょう。

身近なものとなれば、今まではギャラリーに足を運ぼうとしなかった人たちが、カラオケや喫茶店に入る感覚で美術を見にいくことにもつながり、日本のアートがより一層発展するかもしれません。

つまり、Tシャツをはじめとした服のプリントに芸術を落とし込むことは、ファッションを向上させるだけではありません。間接的にではありますが、文化を高めることにもつながるでしょう。

結局のところ流行と同じく、なにかが広まるために必要なのは広告などのマスメディアを通じた戦略です。世間がチランドシアの服に見られるようなデザインの重要性に気づけば、あっという間に広まるでしょう。

ただ、即効性やわかりやすさを求める風潮が現代の日本にはありますので難しいかもしれません。いまファッションのあり方を問うには、若者たちが新たな価値に気づき、自分たちで発信していく必要があるかもしれません。

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チランドシアの服にプリントされるものは、昨今の服にあるようなポップで西洋的なデザインではありません。外国語のロゴなどもほぼ使わず、ストリート・アートを思わせる絵を用いています。

広く一般に普及している服のデザインと比べると取っつきにくく感じるかもしれませんが、それは現代で身近なところにないからです。しかし、だからと言って放っておけば日本のファッションは進化しません。

海外からも認められるアート性のある服を浸透させるためにも、チランドシアのような美術性あるTシャツなどを作るブランドが増えた方がいいでしょう。ただ待っているだけでは広まることはありません。

ですので、今を生きて現代のファッションの中心である若者たちが、美術的要素をもつ服の重要性に気づき、これからの流行として世の中に発信していくべきではないでしょうか。

By筒井

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