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フィレンツェの木工職人の技!~ピノキオの国の廃材を生かす技術

No 6-2-023 01

山や丘が多いわりには、イタリアでは林業はあまり盛んではありません。伐採しやすい場所は、古代ローマ時代から近代までの間にすでに開発済みだからです。

なにしろ伐採ブームがおきたのは大昔のことで今と違い、切ったあとに植林をして森を再生させる努力もされませんでした。こうした場所にはもう大きな木は生えていません。

標高の高い地方には、豊かな自然がたしかにまだ残されています。ただその多くは自然保護地区なので、木の伐採は基本的にできません。

イタリアには、有名家具メーカーがたくさんあります。でも大手の会社が使うのは、北欧やアメリカからの輸入材がほとんどです。

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どんな会社でも、イタリアの森からは木材を安定して調達できないからです。

では大量の輸入材などとても買えないような、零細な手工業者の方々は、どんな商品を作っているのでしょうか?大きな会社の陰で、ひっそり活動している木工職人さんの作品を調べてみました。

さすがはピノキオの国、廃材を生かす技術の高さにはびっくりします。フィレンツェ在住の筆者が、木材加工マーケットの様子をレポートしました。

材料をいかにむだなく使い切るかが腕の見せどころです

私の住んでいるトスカーナ地方は、なだらかな丘がどこまでも続く地形が特長です。一見すると、ここの山からなら、いくらでも木を切って持ち出せそうにみえます。

よく眺めると、トスカーナ州の日当たりのいい斜面は、ほぼすべてブドウやオリーブの畑です。そのうえ森のほとんどの部分は私有地になっています。

これでは、大規模な林業がとてもできないのがよくわかります。伐採用樹木を育てるための植林プロジェクトの話など、ここではまったく耳にしません。

寿命をむかえたり、嵐で自然に倒れたりした樹木、またはやむなく間引くことになった間伐材だけがトスカーナ州では加工用として提供されます。

職人さんたちの多くは、森のオーナーと交渉して、こうした廃材を手に入れて商品化しています。

木工職人が大集合!森林資源の大切さを訴える木材加工マーケットへ行ってみました

フィレンツェの旧市街地にあるサンティッシマ・アンヌンツィアータ広場では、木工職人が作品を展示販売するマーケットが定期的に開催されます。

このマーケットの一番の目的は、個人営業の職人さんたちに販売の場を提供することです。

でもこの催しは、ほかのよくある青空市とは少し違います。ふつうなら捨てられてしまうような材木でも利用できることを示し、資源としての木の大切さを訴える狙いもあります。

マーケット会場の入り口▲会場の入り口には開催スタッフのブースがありました。

いろいろな木材のサンプルを並べ、それぞれの特徴や利用法などについて、スタッフがお客さんに解説してくれます。

広場は、イタリア各地から集まった木工職人のブースでいっぱいでした。

食器などの生活用品、子ども用のおもちゃなどは旅行者にもよく売れています。軽くて、お土産として持って帰りやすいからでしょうか。

アクセサリー工房の作品▲アクセサリー工房の作品です。素朴な色合いなので、カジュアルな服装に合わせやすそうです。

子供向けのおもちゃの数々▲子ども用の玩具も売っていました。私が見ているときは、コマがよく売れていました。なんでも口に入れたがる年齢の子ども向けに、絵の具でコーティングされていないものもあります。

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オリジナルペンをつくる工房▲きれいな模様の木片を使って、世界で1本だけのペンを作ってくれる工房の作品です。

▲お客さんが好きな木片を選ぶと、デモンストレーションもかねて、その場で削りだしてペンを即興で作ってくれます。

エコロジーを意識したマーケットなので、もっと味気ない、地味な作品が売られているのかと思っていました。実際には、加工技術やデザインのレベルが高いものがたくさん売られています。

廃材を使うせいか、商品は小ぶりなものが中心です。でもこれ位のサイズのほうが持ち帰りやすく、手軽なお土産としていいかもしれません。

このマーケットの魅力はこれだけではありません。実用品ばかりでなく、ほとんどアートといってもいいような作品まで展示販売されています。

ほとんど芸術の域!見ているだけでも楽しいアート作品もあります

イタリアには、インタルシオという寄木技術があります。

フィレンツェではインタルシオの工房はほとんどありません。この分野の職人は、北部や、南部のソレント地方に集中しています。

このマーケットには、インタルシオの工房もいくつかテントを出していました。遠くからも出店に来ているようです。

きれいな木のお皿▲寄木細工を扱っているテントでは、こんなにきれいなお皿を売っていました。

無地の木製の皿に、薄くカットした木片を貼り付けてあります。切れ端までむだなく使えるので、森林資源を大切にするにはインタルシオは最適な技術ですね。

寄木で作られた絵

▲寄木で絵を作るアート系の職人さんもいました。

ここまでくると、半端な技術力ではありません。値札はついていませんでしたが、こういうマエストロ級の作品はかなりの値段がするのでしょう。

老木ならではのアートな作品

▲老木の切り株の形を生かして、現代風アート作品を展示販売している人もいました。

アート系作品では、値段はあってないようなものです。眺めているだけでも十分楽しいですが、交渉すれば欲しい値段で譲ってもらえるかもしれません。

木の魅力も再確認しながら、たくさんのすてきなハンドメイド商品に出会えるマーケットでした。

By 坂上

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