京都の方言〜標準語
他の地方では大阪弁などと混同していることもありますが、両者には明確な違いがあります。
別名では京言葉や京都弁または京談などとも呼ばれています。
いまの京言葉は幕末から明治維新にかけて普及
かつて京都は都が置かれていたことから、京都の方言は事実上の標準語とされており、各地の方言に大きな影響を与えてきました。
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街は1000年以上もの歴史があるのですが、言葉としては必ずしも古い時代から続いているわけではなく、その時々で変化をしてきた経緯があります。
現在用いられている京言葉は、実は幕末から明治維新にかけて普及したものになります。
この京都の方言は大きく分けると2種類に分けることができます。
宮中や公家の間で使われてきた公家言葉(御所言葉)と、一般の民衆が街で使用してきた町ことばになります。
また町ことばも地域ごとや職業ごとに細かく分かれています。
中京ことばは中京区を中心に商人たちの間で用いられ、職人ことばは西陣の織物関係の職人や商人などの間で使われてきました。
また、花街ことばは祇園などの花街で舞妓や芸妓などに使われ、伝統工芸語は京焼や京友禅などを制作する現場で使われる職業語になりました。
さらに、農家ことばは大原や八瀬などの農村部で用いられている言葉になります。
▲猫とじゃれながら京都弁を話すご夫婦の会話です
実際の使われ方の事例
また、長母音やウ音便を多用することや、ゆっくり話すことなどが柔らかい印象を感じさせます。
京都の方言として真っ先に思いつく「〜どす」「〜やす」「〜はる」などは京都に訪れたことをより一層感じさせるものとなりますが、意外にもこのあたりの言葉も幕末に普及したものになりますので必ずしも歴史の言葉遣いではありません。
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現在の関西地方では大阪弁が広く使われていることもあり、観光地や花街などで多用する一方で、若い世代ではこういった言葉を使うことはありません。
具体的な京都の方言の例をあげてみましょう。
「おはようございます:おはようさん」「いらっしゃいませ:おこしやす」「ごめんなさい:堪忍しとくれやすな」「いけません:あきません」「有り難うございます:おおきに」「なさいませ:おしやす」「突き当たり:どんつき」「どう致しまして:よろしゅうおあがり」
などとさまざまな表現があります。
また変わったところでは直接的に話すのではなく婉曲した表現を使用する傾向があり、ぶぶ漬けが最たる例としてあげられます。
このぶぶ漬けとは本来お茶漬けのことを指しているのですが、他人の家に訪ずれた際にぶぶ漬けを勧められたら、それは食事を勧めているのではなく帰宅を促している事にあたります。
京都に行った際は、言葉通りに受け止めて、よろこんでぶぶ漬けをごちそうにならないようにして下さいね。
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