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バイト敬語と呼ばれるコンビニやファミレスに蔓延する奇妙な日本語

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コンビニやファミレスなどで、奇妙な日本語に出くわしたと感じたことはありませんか?

「1万円からでよろしかったでしょうか?」「こちら和風ハンバーグになります」「おハシの方はいくつお持ちしますか?」などのバイト独特のいいまわしです。

「ハンバークになります」と言われて「じゃあ、今はまだハンバーグにはなってないんだね?」と突っ込みたくなる人もいるでしょう。

最近は東南アジア系の外国人労働者も多いので、「外人なのかな?」と名札を確認すると、しっかり日本人です。

「バイト敬語」と名づけられた誤った日本語ですが、どうしてこんな日本語ができてしまったのでしょうか?

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バイト敬語というのは敬語・丁寧語の誤った用法です

「よろしかったでしょうか?」「〇〇になります」「〇〇の方(ほう)」「〇〇からお預かりします」「ご利用されますか?」「ご説明される」など、変な丁寧語・敬語をさします。

コンビニ、スーパー、ドラッグストア、ファミリーレストラン、居酒屋などのアルバイトがよく使うことから「バイト敬語」と呼ばれます。

「バイト」と名づけられていますが、正社員や店長のなかにも使う人は少なくありません。

どうして誕生したのか?

バイト敬語は、丁寧語と敬語に限られます。つまり、目上の人に対してしか使われない言葉です。

これが誕生したのは、社会全体に上下の関係が薄れ、ふだんの生活の中で敬語があまり使われなくなったことと関係しています。

英語教育に力を入れる一方で、国語力が弱ってきていることも無関係ではありません。

最近では大学生の4割が、1年に1冊も本を読まないそうです。

文章を読んだり書いたりする力のない人が、バイト先で急に敬語を使わなくてはならなくなって、デタラメな言語を生み出したのでしょう。

コンビニやファミレス経営者の言語能力が低下した!?

奇妙な言葉の流行の背景には、経営者や店の責任者がこうした言葉の不自然さに気がついていないことがあるとも言われています。

顧客に対する言葉づかいは、接客教育の基本です。にもかかわらず、誤った用法が放っておかれているのは、経営者に問題意識がないからです。

店によっては店長自らが使っていたり、使うように指導していたりもしています。

若者の言語能力の低下ではなく、ミドルエイジの能力低下が深刻だと言えるのかも知れません。

日本語の常識をくつがえした言葉!?

バイト敬語は、従来の日本語の文法常識を超越しています。

「ご注文の品は以上でよろしかったでしょうか?」は、ふつうは「よろしいでしょうか?」というべきです。

現在形で尋ねるべきところが、過去形になってしまっています。

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「こちらお釣りになります」「こちらおでんになります」の「なります」は、ふつうは「変化する」という意味に使われます。

変化するはずのない物に使うことはありえないはずです。

「タバコの方、お吸いになられますか?」の「方」(ほう)は、「向こうの方」などハッキリしないときや、あいまいにするときに使うべき言葉です。

「タバコ」は明らかに「タバコ」ですので、漠然とさせる意味がありません。

バイト敬語の背景には、客を恐れる心理が隠されている!?

「よろしかったでしょうか?」と過去形で言ってしまうのは、「過去のものにしたい」という心理が働いているからだとも考えられます。

「よろしかった」と過去にしてしまうことで、「いや、よろしくない」という客の反応を封じているのです。

逆に、「お釣りになります」は、現在形で言うべきところを未来形にしています。

「たとえ、今は間違っていても指摘しないで(まだ、お釣りになってないから)」という心理とも考えられるでしょう。

あいまいにすることで、クレームを避けたいという気持ちが働いているのです。

「タバコの方」「お釣りの方」などの「方」も同じでしょう。あえてあいまいにするのは、逃げの心理です。

少し前から、「~みたいな」という言い回しがはやっていますが、これと心理的には同じです。

「自分的にはアリだと思います」「ペン的なもの」という「~的」も類似しています。ぼかすことで逃げ道を作っています。

ちなみに、「個人的な意見だけれど」と前置きして自分の考えを述べる人が増えています。

普通は意見というものは「個人的」なものなのに、あえてそう断るのも、他人の批判を避ける心理があるからでしょう。

「ご利用されますか?」は明らかな敬語の誤用で、本来であれば「利用なさいますか?」「ご利用になられますか?」というべきです。

敬語を知らないために、何にでも「ご」か「お」を付けることで切り抜けようとした結果、こうした言い回しができたのでしょう。

誤った言葉は定着すれば、誤りではなくなる!?

バイト敬語は従来の文法からはみ出した新しい言葉ですが、だからといって、必ずしも「誤り」だとは言えないのかも知れません。

言葉は時代によって変わります。文法にしたがって話すのではなく、言葉にしたがって文法はできるものです。

少し前までは「ら抜きことば」が問題になっていました。「見れる」「食べれる」は、従来の日本語では「見られる」「食べられる」が正しい用法でした。

長年にわたり「誤った言葉づかい」として扱われ、テレビのアナウンサーには使用が禁止されていましたが、最近では使ってよいことになっています。

間違った言葉も定着してしまえば、「正しい」ことになるのです。「バイト敬語」もいつか正しい用法になる時代が来るかもしれません。

by 水の

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